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海外出身者座談会「パムでの仕事、沖縄での暮らし」

2017/06/22

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インバウンド(訪日外国人旅行)の盛り上がりやオンライン取引の増加など、大きな変化の続く旅行市場。パムはさまざまな変化に柔軟に対応するために社員の多様性を重視しており、近年は海外出身者も増えてきました。
今回、沖縄オフィスで働く海外出身の4人が登場し、パムでの仕事や沖縄での生活について語りました。

写真左から
謝(しゃ)台湾 新北市出身 /「Hi!沖縄朋友」編集
陳(ちん)台湾 台北市出身 /「Tabirai Japan」・「Hi!沖縄朋友」編集
聶(にえ)中国 遼寧省出身 /「たびらい」マーケティング
蕭(しょう)台湾 新北市出身 /「Tabirai Japan」編集

ー日本に来るきっかけや、沖縄で働くようになった経緯について教えてください。

(蕭)日本のドラマをよく見ていたので、日本への興味と親しみを持って育ちました。高校では日本語学科に通い、日本の大学への留学プログラムの奨学金に合格したのがきっかけで沖縄に来ました。もともと都会よりも地方が好きだったのと、家族も応援してくれたので、特に不安はありませんでした。

(陳)父が日本に関係のある仕事をしていたこと、姉が日本に7年住んでいたこともあり、日本は身近な存在でした。関西に2年間留学したんですが、その際に日本社会の壁というか、外国人はあくまで”よそもの”という雰囲気を感じ、いったん台湾に戻ったんです。ただ、やり残した思いがあったので、30歳を目前にして、今の自分なら日本でできるかもしれない、もう一度挑戦してみよう!と思い沖縄で働き始め、沖縄生活は3年目に入りました。

(聶)大学で日本語を専攻し、卒業後は神戸に5年ほど住んでいました。そのあと上海に移り、パムへの入社を機に沖縄に来ました。自分の意志で好きなところにいける自由があるうちに、新しい場所に行くのもいいんじゃないかなと思ったんです。神戸に住んでいたこと、上海でも日系企業で働いていたことから、日本人と一緒に仕事をする環境は自分にとって違和感がなく、沖縄に来るのも自然な選択の一つでした。

(謝)日本の番組を小さい頃からよく見ていたので初めて日本に来た際には、テレビ越しに見ていた景色が目の前にある!と感動しましたね。台湾での生活には満足していましたが、成長が止まっているように感じてしまって。このまま年齢を重ねていくかと思うと、新たな体験への欲求が背中を押しました。安定した生活から飛び出すことに迷いもありましたが、「今やらなければ」と思いきって3か月や1年といった長期滞在をするようになり、現在に至ります。

富士山に桜は、まさにテレビで見ていた日本のイメージ。富士山本宮浅間大社にて(謝)

ー沖縄という地域や、パムという会社が気になった理由はどういうものでしたか?

(陳)日本各地を旅行してまわる中、初めて沖縄に来た際にカルチャーショックを受けたんです。建物も植物も、地名も食べ物も、風景も何もかもがこれまで見てきた日本と違う。故郷の台湾に似ているとも感じて、沖縄という場所が強く印象に残りました。
縁あって沖縄で働き始め、地域の事業者さんと交流するうちに、インバウンド向けメディアを運営をしているパムの存在を知り、そのフィールドで地域の事業者さんに喜ばれて観光客も嬉しいwin-winになるような仕事をしたい気持ちが大きくなりました。

(聶)花の色など全ての色彩が強く、暖かくてよく晴れてる場所という印象を沖縄に持っていました。旅行で訪れた際にいいところだなーと感じて、沖縄に行きたい気持ちが生まれました。旅行の際にたびらい沖縄の観光情報を見ていたので、あ、あの会社だ!と。一般的に旅行サイトは情報がぎゅうぎゅうしているものが多いですが、「たびらい」はデザイン的にさっぱりしていて、情報の見せ方がユニークだと感じました。ECサイトの立ち上げと運営の経験があるので自分のこれまでのキャリアを具体的に生かせるのではないかと考え応募しました。

(謝)私は沖縄のホテルでフロント業務をしていた時に、観光客の方に沖縄情報を尋ねられることが多く、観光分野に興味を持ちました。フロントで、たびカタログや繁体字版観光情報誌を見ていたので、パムの求人を見たときに、この会社知ってる!と。以前出版社で働いていたこともあり、自社メディアを運営しているパムで働きたいと思いました。

(蕭)観光を学べる場所として沖縄を知り、県内大学の観光学科に進学しました。パムに惹かれたのは、メディアを運営していること、現地発信であること、地域に注目している点です。観光客を地域へ呼び込み、地域振興につなげるというの自分がやりたいことと完全に一致していたので、在学中からアルバイトとして携わり、卒業後もここで仕事をしています。学生の間でも、沖縄県民向けの「ちゅらとく」サービスは有名でしたね。

大学時代のゼミ活動では、東京・浅草に行きました(蕭)

ー現在の仕事や取り組みについて教えてください。

(蕭)「Tabirai Japan」の記事編集、翻訳業務、SNSの運用などを行っています。海外の旅行客が面白いと思うこと、必要な情報など、台湾人の目線を生かして表現や投稿方法を考えています。台湾の人はSNSのコメント欄で盛んに旅行情報のやりとりをするので、そこからもヒントを得ます。ユーザーの反応が数字で分かるのが面白いのですが、数字を追い求めると記事のネタがかぶってくるのが目下の悩みです(苦笑)
学生時代からパムでアルバイトをしていて、4月から社会人を始めたばかりですが、アルバイトと社会人では関わる人や考え方が違っていて、やることが多いです(笑) 運営サービスのインバウンド領域が拡大する中で業務量が増加していますが、これを8名のチームメンバーと話し合いを重ね形にしていく過程が楽しいですね。

(謝)主に「Hi!沖縄朋友」の紙面デザインと編集を含む制作の進行管理全般、また事業者さんへの校正確認やカメラマン・モデルの手配などを担当しています。チーム会議の中で、媒体のターゲットや打ち出したいポイントを確認しながら冊子を作っていきますが、デザインをする際には、さまざまな要素をどう配置すると見やすく分かりやすいページになるかということを考えています。入社初日はガチガチに緊張していましたが、パムの全社朝礼が面白く、笑っているうちに緊張がほどけました。社員一人ひとりがフレンドリーな会社だと感じますね。

(聶)「たびらい」会員向けのマーケティングに取り組んでいます。展望を描いて形にしていくパムの中でも新しい取り組みなので、各事業部と協力して進めているところです。パムはサービスをより良くしていくために、みんなが真剣に向き合っている会社だと感じます。大きな企業だと予め落としどころを設定し、妥協点を見つけ部署間交渉をしていきますが、ここでは煩雑な手続きもなく、会社として一番いい形を見つけていこう姿勢があって、判断基準の明確さや意思決定の速さがいいところだなと。

(陳)「Hi!沖縄朋友」と「Tabirai Japan」の記事編集や外国人のニーズに合わせた企画づくりを担当しています。また取材や営業同行の際に、地域の事業者さんのこだわりやストーリー、現場での悩みなどをヒアリングして、課題を見つけ出し施策を提案することもあります。台湾人視点での提案は、地域の事業者さんにも喜んでいただいており、媒体の信頼にもつながっていると思います。翻訳の仕事だけではなく、アイデア出しからプロジェクトの推進まで任せてもらえるので、パムは海外出身者を区別せず大事にしている会社だなと。やりたいことがあればどんどん発言できる社風で、風通しがいい会社だと思いますね。

北部広域市町村圏事務組合との仕事では、故郷・台湾の旅行博に出展し沖縄をPR(陳)

ー沖縄で生活するようになって変化はありますか?

(蕭)海外から自分の国を見るようになると、自分の国では常識だと思っていたことに対する見方が変わりました。文化や政治、商慣習、消費行動についてその背景を考えるようになって、視点が変化したのだと思います。

(陳)台湾にいる時は親や友達に甘えてしまう面がありましたが、ここでは自分でどうにかするしかないので、何事にも主体的に取り組むようになりました。故郷を離れての生活は人を強くしますね。私も自分の国のことやアイデンティティを再確認することが増え、自分の国の歴史や政治、取り巻く環境に関心を持つようになりました。

(謝)慣れ親しんだ環境を離れての生活は、色々なトラブルが自分を成長させてくれますよね(笑)
私は一人暮らしを始めて、早起きになりきれい好きになり健康に気を遣うようになりました。また最近は自分とは異なる意見を聞くと、その考え方を吸収して自分の考えと組み合わせていくようになりました。様々な人や考え方に触れる中で、自分の考え方が変化していくのも面白いです。

(聶)会える友達が少なくなり、自分の時間が多く取れるようになったので本を読んだり料理を作ったり、ぼーっとする時間も増えました。外食が減って自炊をするようになり、食生活は良くなりました。もともとシンプル志向ですが、引っ越しを経てよりモノは要らないなーと感じています。上海にいたときはちょうどバブルの時期で、まわりはお金を使うのが大好き!という感じでした。マンションの値段も毎日変わるし、株だ投資だなんだと金・金という雰囲気だったので、それと比べると今はまるで違う世界にいます(笑)

休みの日は沖縄めぐり 謝さんと沖縄本島の西海岸にあるサンセットビーチにて(聶)

ー今後について教えてください。

(蕭)短期の滞在では日本の表面的なものしか見えないですよね。いい所だけというか、普段目にするのとは別の側面を見る機会がない。長期滞在や生活をしていると、リアルな日本を知れるようになります。そこで気づいたことも媒体づくりに生かしながら「Tabirai Japan」がもっと多くの人に知られ利用されるよう、今後はSEOなどWebの知識も身に着けていきたいと考えています。

(陳)沖縄は国内外問わず多くの人が訪れる人気の場所ですが、沖縄を訪れる訪日客の中で台湾からの観光客は一貫して上位を占めています。LCCの充実もあり、沖縄を経由し本州へ向かう旅行もどんどん盛んになってくると思うので、インバウンド市場のリサーチなどマーケティング分野にも力を入れていきたいですね。

(謝)より沖縄の魅力を伝えられるよう、デザインや企画を通して「Hi!沖縄朋友」をさらに面白い媒体に、またもっと多くの人に知られ利用される媒体にしていきたいです。私にとって、旅行、特に人との出会いは人生において大きな要素を占めています。日本での長期滞在の際にはゲストハウスを利用し、世界中のトラベラーや地域の人と交流しました。そこでの出会いは大きな財産となり、私を成長させてくれています。観光・旅行分野は人生を豊かにし、人を笑顔にする仕事であることが私にとっての最大の魅力ですね。

(聶)私は、仕事をしている時が生活の中で一番真剣な気がします。プライベートでは諦めが早く、執着しないタイプなので、自分を試すチャンスがあまりないのですが、仕事となると悔しいとかもっとやり遂げたいという気持ちが出てきます。思い通りに進まないときは自分を知るチャンスだし、経験を積んでいくことで、自信や余裕といった仕事から得られることがあると考えています。それは給料よりも大きな、仕事から得るものですね。
日本語の言語力を上げて、もっともっと円滑なコミュニケーションができるようになりたいです。ちょっと言い合いになっても引かずに言いたいことを言えるぐらいに(笑) 冗談やユーモアも言えるようになりたいですね!

お互いのことを色々と知る機会になりました

沖縄を訪れるインバウンド観光客のなかで「沖縄美ら海水族館のガチャガチャ」が人気なこと、実際にガチャガチャ好きとして、機械を見つけると見過ごせず部屋がガチャガチャだらけな話なども飛び交いました。

「Tabirai Japan」では、個人インタビューも公開しています。※中国語(繁体字)
謝 http://tc.tabirai.net/sightseeing/article/interview-6/
陳 http://tc.tabirai.net/sightseeing/article/interview-2/
蕭 http://tc.tabirai.net/sightseeing/article/interview/ (大学生時代)
聶   http://tc.tabirai.net/sightseeing/article/interview-7/

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